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WHAT vol.0投稿15句

『まつたいら』

惜春の水一筋にながれをり

ゆつくりと社殿の四方をなす風車

​湧水に道まがりをり三鬼の忌

海兵のシャツいつぱいの南風

パレットの緑十色泉汲む

出棺の轍や百合のにほひをり

みづうみの栞のごとく雲の峰

夏風邪や稜線に鳥もつれをり

待宵の指先に血の流れ終へ

炎昼や写真の庭を探しをり

名月にまつたいらなる入江かな

河太く書き足し窓の碇星

星月夜魚類ゆきかふ地層かな

サーカスの一団すぎる秋の川

​水槽の触手に流れ冬館

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